潜龍舎 / 総合型選抜・学校推薦型選抜対策専門塾

総合型選抜・学校推薦型選抜/大学入試小論文 対策専門塾

倍率を気にすることには意味がない

倍率に関する質問

「去年の倍率が3.3倍なのですが、今年はどれぐらいの倍率になりそうですか」

「倍率4.8倍って難しいですか」

「倍率1.8倍なんですけど、受かりますか」

 

こういう質問は本当に意味がないです。総合型選抜や学校推薦型選抜では、たいてい前年度の倍率が大学から公表されています。そうした倍率を見て、受験生のみなさまからたくさんの質問を受けるのですが、倍率を気にしても本当に意味がないからやめなさいとお伝えしています。

 

倍率を気にする心理

とはいえ、倍率を気にする心理もわかります。受験者が多くなればそれだけ倍率も高まります。つまり、競争相手が多く、倍率が高いほど合格する確度は下がるように思われるからです。しかし、倍率が上がったからといってあなたの合格率が下がるわけではありません。というのも、志願者や受験者のすべてが自分と同様のレベルにあるとは限らないからです。十全な対策を行っていれば、倍率が何倍であろうとも、他の受験生や志願者のことは本質的には一切あなたには関係がないのです。

 

まともな対策をしていないから人のことが気になる

おおよそ倍率を気にする受験生は、

a.まともな対策をしていない、

b.対策に穴があり、不安を抱えている、

c.短期間で準備をしたため、本来できるはずだったことができていない不安がある、

d.活動実績に自信がない、

e.資格を持っていない

……etc.

といったようにともかく不安要素(しかも複数)があり、「自分は大丈夫だろうか」、「他の受験生はどれぐらい受けるのだろう」と考え、「他の受験生のこと=倍率」が気になるのです。倍率を気にして不安になるのは、時間の無駄です。出願前であれば出願書類の作成などできる限りのことを行い、出願後であれば、試験に向けた対策を粛々と行うべきです。不安があっても覚悟を決めるしかないのです。倍率を眺めて、萎えている場合ではないです。

 

高校1,2,年生のみなさまへ

受験生になったときに、倍率なんかに怯むことなく、きちんと合格の道を一歩一歩確実に進むことができるようにしましょう。そして、十全な対策を行うことによって、そうした道を進んでいくことが実際に可能なのです。(言葉の悪い意味で)テキトーな対策を、時間もないなかで行うから、多くの受験生は不安になって、倍率を気にして騒ぐのです。そんな受験はダサすぎる。自分の将来を切り開くためにも、自信をもって粛々と進むことができる道を歩みましょう。早期から対策を開始する人には、確実に合格する道が見えてきます。活動実績を積み上げる必要があることも考えれば、すでに試験は始まっています。今すぐに対策を始めましょう。できることがたくさんあります。総合型選抜・学校推薦型選抜による大学受験を少しでも考えているならば、今から始めましょう。

 

 

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どうして小論文対策を一人でできると考えるのだろう

どうして小論文対策を一人でできると考えるのだろう

英語、現代文、数学等の教科は学校の先生から塾や予備校の先生も含めて、受験生は指導者から指導を受けていると思います。しかし、高校に小論文という科目や教科はありません。模試を受けるなどして小論文を書く機会を持つことはあるかもしれません。しかし、学校では小論文対策指導を「継続的に」受ける機会はないと思います。

他の科目は指導者から受験対策指導を受けることが当然とされているのに、小論文対策となるとどういうわけか、一人で対策できると勘違いをする高校生がたくさんいます。その証拠に、小論文対策を一人でできると勘違いするみなさまは以下のような質問を繰り返します。

 

「小論文の対策の仕方を教えてくれませんか」

「どのような問題が出るのか教えてくれませんか」

「同じ傾向の過去問を教えてくれませんか」

「おすすめの参考書を教えてくれませんか」

「どのような知識が必要ですか」

「小論文の書き方がわかりません」

「どのような構成で書けばいいですか」

「何を書いたらいいのでしょうか」

「どうしたら要約ができますか」

「学校の先生に添削してもらったのですが、先生から具体性がないと言われてしまいました。どうしたらよいですか」

「〇〇大学の小論文の過去問がありません。どうやって対策をすればよいですか」

「〇〇大学××学部の小論文試験の対策の仕方を教えてください」

 

小論文対策は一人ではできません(その理由はこちらの記事をご覧ください)。他の科目は指導者に教えを請うのに、なぜ小論文対策は一人でできるとみんな考えるのでしょう。

 

学校の先生に指導を受けているのに、よそで質問を繰り返すのはなぜだろう

「学校の先生から指導を受けています!」という人もいると思います。しかし、「学校の先生から添削指導を受けている」と仰られる多数の方から弊塾へも小論文対策に関する質問を受けておりますし、小論文対策に関するオープンチャットなどでも以上のような質問が繰り返されています。なぜ、そうした質問を自分の指導者にしないのでしょうか。そうした質問が繰り返されているということは、学校の先生からほぼ指導を受けていないに等しいということだと思います。まともな指導を受けていれば、そうした質問はそもそも出てきません。あなたの質問や疑問に答えてくれたり、あなただけのために十分な時間を割いて懇切丁寧に添削や指導を行ってくれたりする学校の先生は少ないと思います。

また、「予備校で小論文指導を受けています」という受験生も、自分の志望校に特化した演習を行うことができていない人が多いと思います。

「一応、(学校の先生から/予備校等で)添削指導は受けている」という方々の大半が、上記のような質問を繰り返す事態を見れば、みなさまは「志望校に合格するための」小論文対策ができていないと思います。

 

過去問演習を行い、指導を受けた受験生には絶対に勝てない

志望校に特化した指導を受けることもなく、一人で小論文対策を行うことができると考えているみなさまは、勘違いや思い違いをしていらっしゃると思います。一人で小論文対策を行うことができると考えているみなさまは、過去問演習を行い、志望校に特化した指導を指導者から受けた受験生には絶対に勝てません。それがわかるのが不合格通知をもらってからというのでは、悲しすぎます。何度でも繰り返しますが、小論文対策を一人で行うことはできません。小論文試験の対策をしようとする際に、あなたが行うべきは、参考書を読むことでも、予備校の動画を見ることでもありません。まずは適切な指導者に相談をし、自分の志望校に特化した対策を行うことができる体制を整えることです。さらに、模範解答と自分の小論文答案との差異をよく分析・把握し、合格水準を知った上で対策を行っていくべきです。

 

 

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オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」

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潜龍舎作成小論文模範解答

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「あまりにひどすぎて、間違ってすらいない」【大学入試 小論文対策】

とてつもなく優秀だけれども気むずかしいことでも有名だった量子力学者のヴォルフガング・パウリはかつて、ある学生の論文を読んでこういったとされる。

 

「あまりにひどすぎて、間違ってすらいない」

 

小論文対策をしたことのない高校生による答案は、まさに「あまりにひどすぎて、間違ってすらいない」という状態にあります。弊塾においても、初めて指導を受ける生徒の答案を添削すると毎度私は上記のパウリのエピソードを思い出してしまいます。もちろん、最初は書けなくてまったくかまわないのですが、それにしてもかなりひどい。かすりもしない、明後日な方向の答案をよく見ます。どうしてこういうことになってしまうのでしょうか。

 

1.課題文(or資料)が読めていない

まず、課題文や資料が正確に読めていないという点があります。端的に文章が読めない、資料がわからないということに加えて、まったくの誤読をしている、つまり課題文ではまったくいわれていないようなことを要約に入れたりする様子を見ると、高校生の皆様は本当に文章や資料が読めていないと思います。課題文を正確に読むことができないと論点なども当然おかしなことになっていきます。

 

2.設問が読めていない

設問を読まない/読めない人も本当に多いです。「○○○について筆者はどのような主張をしているか」という設問に対して、自分の考え?を答案に書いてしまう人がいる。「~~~についてあなたの考えを述べなさい」という設問の指示に対して、「~~~」について一切触れない、「~~~」から派生する問題などに字数を割き、「~~~」そのものについて論じられていない人もかなり多い。設問の指示にすら従うことのできない答案は得点できません。最近は、設問そのものについて「これってどういう意味ですか」と質問されることも多くなりました。その日本語に書いてあるとおりだよとしか言いようがないのですが、どうも言葉をそのまま素直に受け取ったり、理解することができていなかったりするように思います。設問についておかしな読み方をしたり、指示されていないことを行なおうとしたりするのはなぜなのでしょうか。

 

3.思い付きを考えながら、書いていく

答案をとりあえず作成しなくてはならないから、思いついたことをズラズラと書いてくる、何の論証もなしに縷々自分の考えを綴ってくる人もいます。小論文は随筆や作文ではありません。小論文は論理や説明における理屈にもとづいて、読み手を納得させる必要があります。小論文における構成を考えない/考えられないから、さらに場当たり的に考えながら書いているから、最初に述べていることと最後に述べていることが矛盾していることや、辻褄があわないことにすら気がつかない。論点から盛大にズレていく答案が多数散見されます。考え「ながら」書いてはダメです。(構成を考え、説明の理屈を考え)考えたことを書くのです。

 

みんな、自分が思ったより書けないよ

いつまでも小論文試験を後回しにしたり、直前になっても何とかなるだろうと考えたりするのは愚かです。みなさん、ご自身が思っているよりも書けません。上記の1,2,3がコンボすると「あまりにひどすぎて、間違ってすらいない」答案が完成します。本当になかなかご理解をいただけないので、何度でも何度でも申し上げます。小論文は早期対策が鍵です。やればわかります、本当に書けませんし、まともな答案ができませんから。お願いします、対策をさせてください。対策をしてください。この際もう弊塾じゃあなくたっていい。皆様、絶対に小論文対策は早期からしたほうがいいです。

 

 

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受験生の皆様、どうか、お願いします、小論文対策を始めさせてください。

「試験まで残り一ヶ月なんです!なんとかしてください!」

毎年、学校推薦型選抜の小論文試験までの残り一ヵ月、あるいは共通テスト後から国公立大学の二次試験まで残り一ヶ月弱になって、小論文対策を求められる方が非常にたくさんいらっしゃいます。ともかく時間がないため、かなり大変なことになります。なぜ、毎年毎年いつもこんなにギリギリなのでしょう。どうして毎年、このような受験生が出てきしまうのでしょうか。お願いします、自分が少しでも受験しようと考えている大学は、たとえ優先度が低い併願校であってもその試験に小論文試験が課せられているのならば、ぜひ、小論文試験対策をいますぐにでも始めてもらいたいのです。どうか、本当にお願いします、直前期ではなく、今、ここで、すぐにでも対策を開始させてください。併願校のみならず、昨今はどういうわけか第一志望の大学に小論文試験があってもズルズルと対策を放置する受験生もおり、非常に憂慮しております。

 

「書く力」はそんなにすぐに身につかないのです

これまでも何度も何度も何度も何度もお伝えしてきているのですが、ものを書く力というのは技術であり、技術を身につけるのには相応に時間がかかります。「今まで何もしていないのですが、試験まで死に物狂いで毎日書いたら間に合いますか」という質問を本当によく受けますが、「今日から一週間毎日必死に本気のバッティング練習をしたら、プロ野球選手からホームランを打てますか」というのと同質の質問だと思います。本当にご理解をいただけていないので、何度でも申し上げますが、これまでなんの訓練もしてきていないあなたが小論文試験にて合格水準の答案を書くための力を身につけるには、時間がかかります。お願いします、対策を今すぐ開始させてください。

 

こういう質問を繰り返しているうちは力がついていない

「小論文の対策の仕方を教えてくれませんか」

「どのような問題が出るのか教えてくれませんか」

「同じ傾向の過去問を教えてくれませんか」

「おすすめの参考書を教えてくれませんか」

「どのような知識が必要ですか」

「小論文の書き方がわかりません」

「どのような構成で書けばいいですか」

「何を書いたらいいのでしょうか」

「どうしたら要約ができますか」

 

こういう質問を繰り返している人たちは、明らかに指導者から指導も受けていないし、まともな対策もしていません。自分で書くということから学んでいないからです。どうかお願いします、いつまでもこうした愚にもつかない質問を繰り返していないで、どうか合格するために必要かつ本質的な対策を今すぐ開始させてください。

 

書くことでしか力は身につかない

適切な指導者のもとで指導を受けかつ自分で書くということからしか合格水準の小論文答案を作成することができるようにはなりません。合格する方法、合格するために進むべき道は決まっているのです。実際に書くことでしか、力は身についていきません。それなのに、いつまでも対策を放置しているのはなぜなのでしょうか。今すぐ志望校の過去問を試しに取り組んでみてください。そうすれば、対策の必要性、対策をすぐにでも行うべき理由のすべてをご理解いただけると思います。合格するために行うべきこと、必要なことは明らかです、どうかお願いします、今すぐ対策を始めさせてください。本当によろしくお願いいたします。


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総合型選抜・学校推薦型選抜に向けて 高校2年生編

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実は活動実績を積み上げるラストチャンスの学年

大切なことなので、何度でも申し上げたいと思います。活動実績が積みあがっていないのに、総合型選抜・学校推薦型選抜に臨もうとするのは無理です。また、高校3年生になってから活動実績を積み上げようとしても難しいのです。高3の夏になって、「志望理由書や面接の際に、特に目立った活動をしていない場合は何を書いたり言ったりすればよいでしょうか」、「国公立大学の学校推薦型選抜を考えているのですが、今からボランティア活動を始めても活動実績に入りますか」、「活動は何もしていないのですが、クラス委員とかでも実績になりますか」といった救い難い質問をしないようにしましょう。

慶應SFCなどの難関大合格者の多くは、実は高校2年生のときにさまざまな活動に取り組んでいます。というか、高3になってからの時間的な制約を考えれば、高校2年生が終わるまでに活動実績はある程度積み上げておくべきだといえます。したがって、高校2年生は、活動実績を積み上げるラストチャンスといえます。とはいえ、総合型選抜・学校推薦型選抜での難関大合格者は総合型選抜・学校推薦型選抜という試験のために動いているわけではないのです。彼らは、将来の志や、自分の興味・関心に従って活動をしています。おもしろそうだからいろいろとやってみた結果、活動実績もけっこうあるから、総合型選抜・学校推薦型選抜でも受けてみようかなという感じです。

 

大学の入試要項を確認しよう

将来大学進学を目指す高校2年生になったあなたがまず行うべきことは、少しでも気になる大学の入試要項を見てみることです。大学によっては明確に、どのような活動実績を評価するのか、入試要項に書いてある場合もあります。自分の行きたい学部や学科の入試要項を確認してみましょう。そのうえで、そうして得られた情報にしたがって活動してみるとよいと思います。

 

大人と話をしてみよう

高校2年生のあなたは、まだ将来の「志」が見定められていないかもしれません。まだ、大丈夫、問題ないです。自分の将来についての考えを周囲の大人に話してみるところから始めましょう。

親に話せば、良くも悪くもだいたいいろいろ言われると思います(苦笑)。学校の先生もいろいろアドバイスをくれるかもしれません。大学に行った先輩、バイト先の店長、社会人になっているいとこなどの親戚、塾の先生などなど、ともかく自分が将来何をしたいと考えているのか、周囲の大人に話してみましょう。

 

将来成し遂げたいことや取り組みたいことをどのような職に就けば実現できるのか、調べよう

また、まだ決まっていないけれど「少なくともこういう方向には行ってもいいな、行きたいな」と思っている分野などについて調べたり、将来就いてみたいと思う職業などについて調べてみましょう。知らないこと、知らないものにはなれません。まずは、よく調べてみるところからスタートです。難関大合格者の先輩たちは、自分の興味・関心ややりたいことについて、放っておいてもともかくべらべらとしゃべります。興味・関心ややりたいことがはっきりしてくると、将来はこういう方向に行こうかなとまたその先が見えてきます。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜の対策は細く、長くが肝心です

総合型選抜・学校推薦型選抜の対策は、自身の「志」を見定めたり、さまざまな活動に取り組んだりと、一挙にできるものではありません。細くてもいいので、長く、継続的に、じっくりと行っていく必要があります。自分の将来について考えたり、自分の将来をかける試験になりますので、高3になって慌てて志望を決めたり、迫る試験のためによく調べも考えもせず、なんとなく「これが自分のやりたいことなんだ」と自分を騙すようなことをしていては本末転倒です。実際には、試験に対応しようとして、活動実績もなく、志も定まっていないのに、それっぽい志望理由書を書いたり、面接でほとんど嘘みたいな語りを行ったりする、そうした生徒がごまんといます。しかし、君が憧れ、行きたいと思う大学にはそれでは絶対に通用しない、それでは絶対に合格しない(断言できます)。だから、高校1,2年生から本質的な対策を少しずつしていきましょう。

 

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「総合型選抜・学校推薦型選抜に向けて」 高校1年生編


高校受験を終えて

高校受験も終わって、晴れて高校生になって新しい生活も始まっていると思います。高校生活をエンジョイしたいと思うだろうし、エンジョイしてもらいたいです。でも、あなたの中学校3年間がきっと本当にあっという間であったのと同じように、エンジョイしようがしまいが、高校3年間も本当に「秒」で終わります。

高校受験が終わってすぐに大学受験の話をするのは気が引けますが、大学進学を少しでもお考えであるならば、どうかこれから申し上げることに少しでもよいので耳を傾けていただきたいです。

 

大学進学に向けて

現行の大学入試には、一般入試(学力試験が課される試験です)に加えて、総合型選抜、学校推薦型選抜と呼ばれる種類の試験があります。総合型選抜・学校推薦型選抜による大学入学者の割合は、近年増加傾向にあり、2023年度入試では私立大学入学者の58.7%が総合型選抜・学校推薦型選抜を利用して大学に入っています(国立大学は18.3%、公立大学は30.1%が総合型選抜・学校推薦型選抜を利用して大学へ入学。国公立大学も総合型選抜・学校推薦型選抜による入学者割合が年々増加しています。)。私大入学者の半数以上が総合型選抜・学校推薦型選抜であることに加えて、総合型選抜・学校推薦型選抜は年内に合否が決まる、難度の高い共通テストという試験を受ける必要がない(国公立大学の場合は共通テストが課せられる学校推薦型選抜もあります)という受験生にとってのメリットもあり、総合型選抜・学校推薦型選抜の人気は高まっており、この試験を「受ける」とか「受けない」という選択の問題ではなく、大学進学を目指す多くの受験生にとって「受けるべき」と考えることが合理的判断になりつつあります。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜とはどのような試験なのか

総合型選抜・学校推薦型選抜は、①調査書(=評定平均値)、②志望理由書、自己推薦書、活動報告書、事前課題レポートなどの書類審査、③面接・プレゼンテーション、④小論文、⑤グループディスカッションなどが試験として課せられ、学力に留まらない多面的な人物評価によって選抜が行われる試験です。簡単に言えば、大学側がほしいと考えている受験生を選抜することを目的とした試験です。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜においては、将来の「志」に基づいて受験生が入学後も大学において学び、研究を行う(=大学は教育研究機関です)素養があるかどうかが評価の対象となります「うちの大学はこういう人が欲しいです」という大学側からのメッセージがアドミッション・ポリシーというものになります。アドミッション・ポリシーに適合する受験生を獲得することが、総合型選抜・学校推薦型選抜の目的です。したがって、受験生の「志」、将来のキャリア設計、大学で学ぶ明確な目的や問題意識があることが前提となります。そうした「志」を有していることを確認するために、大学は活動実績の報告を求めます。「将来、こうしたい!」、「これを成し遂げたい」という受験生の意志を確認するために、その「志」に向けて高校生として具体的に何に取り組み、活動をしてきましたかと問われることになります。

 

「志なき者は、去れ」

志とは高校生のみなさんが将来的に社会に出たときに、世のため人のため、あるいは切実な自分の問題意識から、必ず成し遂げたいと強く望む対象を持ち、それを果たそうとする意志が志です。端的に述べれば、総合型選抜・学校推薦型選抜は「志なき者は、去れ」という試験です。出願書類として一等重要な評価対象となる志望理由書も、大学への志望とともに受験生の将来の「志」が問われます。「志」がなければ、どんなに「大学で学びたいです」と声高に叫んでも大学には入れてもらえないのです。したがって、将来の「志」を持つことは総合型選抜・学校推薦型選抜の受験にとって絶対的に不可欠だといえます。

 

高校1年生のみんなにしてもらいたいこと

将来的に大学進学を考えているならば、総合型選抜・学校推薦型選抜も視野に入れておくべきです。さらに、総合型選抜・学校推薦型選抜を受験するにはあなたの「志」が不可欠です。したがって、高校1年生から少しずつ、自分の将来のこと―将来何をして生きていきたいのか、自分は将来何をするべきなのか―を考えていただき、ご自身の「志」を明らかにしていってもらいたいのです。「将来何をしたいかなんて、まだ全然わからない」といわれる方もいるかもしれません。わからなくてもいいと思います。しかし、そのように言って何も考えないというのは、思考の怠惰だと思います。全然わからなくていいのですが、だからといってそれを理由のようにして何も考えないということは問題だと思います。

 

知らないことには出会えない

「将来何をしたいかなんて、まだ全然わからない」という人は、考える材料がないからだと思います。知らないことには出会えません。だから、まずは自分が現段階でおもしろいと思えることや興味のあることに今よりも少しだけ首を突っ込んでみましょう。興味関心のある分野の本などを読んだり、何らかのイベントに参加してみたり、自分だけの興味の種を育てていけるとよいと思います。慶應義塾大学SFCAO入試(=1990年、AO入試を日本で初めて開始したのがSFC。30年以上にわたるその審査の蓄積やノウハウは他大学の追随を許さないものがあり、今では日本でもっとも難しい総合型選抜の一つ。)などを筆頭に難関大学の総合型選抜・学校推薦型選抜の合格者は、そのほとんどが高校1,2年生から自分の興味関心にしたがっていろいろな活動に取り組んだり、行動をしています。特別に試験を意識して動いているのではなく、自分のやりたいことや取り組みたいことを、さまざまな活動に参加しながら考えています。将来やりたいことが決まってから動き出すのではなく、動きながらやりたいことを明確にしていくというスタイルが望ましいと思います。だから、「将来やりたいことなんてまだわからないし、今は何もできない」という態度や姿勢ではなく、やりたいことを探すために、少しでも興味関心のある対象や今やってみたいことに自分から近づいていく、動いてみるというスタイルがよいと思います。自分がそもそも知らないことには出会うことすらできません。みなさんのしたいこと、将来の「志」を見つけるためには、まずは世の中に何があるのかを知るところからがスタートです。

 

部活動、たのし~!

部活で青春、いいと思います。でも、部活動で疲れ果てて何も考えないし、部活動しかしていないというのは高校生の経験として貧しいと思います。大学入試のためにというよりは、自分の将来のために、自分の志を見定めていく活動もしていくべきです。総合型選抜・学校推薦型選抜の観点からいえば、部活動は全国大会に出場するなど一定以上の成果を出さなければ、評価の対象になりませんので、そこに時間のすべてをオールインするのは問題です。嫌な言葉に聞こえると思いますが、部活動はあなたの趣味です。楽しくてあたりまえだし、楽しんでもらいたいです。しかし、将来のことを考え、行動する時間も確保してもらいたいのです。

 

具体的に何をすれば?

まず、「自分が将来何をして生きていきたい人間なのか」、「自分は何のためにこの世に生まれてきたのか」という問いを自分の背中につねに張り付けて生活を始めるところからスタートです。背中に張り付いていればいいので、四六時中そのことについて考えなさいということではありません。しかし、折に触れ、その問いに向き合えるようにしておく必要はありますし、その問いを持ってさまざまな興味関心にしたがって行動をしていくべきです。

 

難関大学の総合型選抜・学校推薦型選抜の合格者の多くは、まずは好きかどうかもわからないけれど、やってみる、チャレンジしてみるということで、さまざまな行動をしています。活動実績というとボランティアとすぐに高校生の多くがいいますが、そうではありません。自分の将来のために、志にもとづいた活動が積み上げられていればそれは何であれ活動の実績です。好きな作家の小説を全作読む、映画を100本見るというように何らかの興味関心の対象にどっぷりつかるところから始まってもいいですし、大人に交じって何らかの活動をしてみるということもしてもらいたいです。積み上げるべき活動実績は、入試要項に記載されている場合もあるので、それらを見て活動に取り組んでもよいと思います。学校の探究の授業もあるかもしれませんが、それはあくまで制度として学校で実施されており、本質的にみなさんが自発的、主体的に取り組んだといえるかどうか疑問です。探求はあくまできっかけであり、そこからあなたが自分でどう動くかが大切です。

 

活動実績は高校3年生からでは積み上げることはできない

受験生となった高校3年生になってから、総合型選抜・学校推薦型選抜の対策として、何らかの活動に取り組んだり、課外活動を始めたりするというのでは遅すぎますし、試験のための付け焼刃的活動にしかなりません。また、高校1,2年生からいろいろと取り組んできた人に勝てるはずがありません。多くの受験生が高校3年生になってから総合型選抜・学校推薦型選抜の対策をしたいといいますが、それでは遅すぎるのです。高3の夏になってから慌てて総合型選抜・学校推薦型選抜の対策をしようとする人もいますが、「志」がなければ志望理由書すら書けず、出願すらおぼつかないのです。だから、高校1年生からスタートしましょう、動きましょう。とはいえ、最初は試験を意識する必要はありません。「志」を見定めるために、一歩踏み出して動いて見ること―これが高校1年生のうちからできることですし、行うべきことだといえます。

 

 

高校1年生のうちに取り組んでおくべきこと

①評定平均値の確保(総合型選抜・学校推薦型選抜においては、規定の評定平均値を得ていることが出願条件になっている試験もあります)

=要するに、定期テストできっちり点数を取っていきましょうということです。

 

②将来の「志」を見定めるための活動

=自分の興味関心にしたがって何ができるか、何をしたいのかを考えて動いてみる。

 大学などが行う高校生向けのイベントなども毎年多数行われております。

 

➂ものを書く練習を少しずつしていこう

総合型選抜・学校推薦型選抜では、志望理由書課題やレポート課題、小論文試験などが課せられます。高3になって慌てて取り組んでも、ものを書く力はすぐに身につくわけではありません。高校1,2年生から少しずつ取り組んでいきましょう。潜龍舎では月1でよいので、小論文課題に取り組んでいただくことを強く推奨しております。

 

 

潜龍舎の小論文対策指導を3年間受け続けて、慶應義塾大学に合格するお話

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指定校推薦が取れなかったら、他の総合型選抜や公募制試験を狙えるか

指定校推薦が取れませんでした…

毎年9月から10月にかけて、高校内部の審査の結果、残念ながら指定校推薦枠を取れなかった生徒さん、保護者様から以下のようなご質問・ご相談を一定数受けるので、先に述べておきたいと思います。

 

「志望校の指定校推薦枠が取れませんでした。これから他の総合型選抜や公募制推薦などの試験を狙うことはできますか。」

 

 

 

結論、狙うことができる人もいれば、できない人もいます

歯切れの悪い回答で申し訳ないです。指定校が取れなかった場合、他の総合型選抜や公募制推薦などの試験を狙うことができる人もいれば、できない人もいます。まず、できる人は、総合型選抜や指定校以外の学校推薦型選抜などにおいて、志望理由書や活動報告書を作成するにあたって、「志」があり、活動実績が積み上がっている人です。できない人は、それとは反対に「志」が定まっておらず、活動実績が積み上がっていない人です。

 

具体的に見てみましょう。実際に潜龍舎へのご相談でもっとも多いのは、上智大学の指定校推薦を取れなかった受験生が、同大学の公募制推薦入試を狙うことができますかというものです。上智大学の公募制推薦入試の自己推薦書課題を見てみましょう。

 

上智大学自己推薦入試(公募制)

 

自己推薦書課題

 

「志望動機」「学力」「学業成績以外の卓越した能力」「課外活動・社会活動の実績」「特技」等を記述し、自己を推薦する内容であるもの。

 

①志望動機 

②学力 

③学業成績以外の卓越した能力 

④課外活動・社会活動の実績 

⑤特技

まず、上記のいずれかを説明しなければなりません。すなわち、上記の項目に適合するような経験や実績があることが前提されています。

 

この自己推薦書を作成するにあたり、①は絶対に必須です。あとは②~⑤のなかで、受験生が何を訴えることができるのか考える必要があります。潜龍舎に来る生徒たちは、②学力(Ex.数学オリンピック出場など)、③学業以外の卓越した能力(Ex.スポーツ、学外における研究、創作、芸術活動など)、⑤特技(Ex.スポーツ、英語以外の語学など)といった能力や実績を有する生徒は皆無です。そんなスーパー高校生はうちには来てくれません。というか、そうした生徒はめったにいない!。

潜龍舎がこれまで上智大学他、総合型選抜・学校推薦型選抜への合格者を輩出できているのは、④課外活動・社会活動の実績 を積み上げたり、これをアピールするように指導しているからです。

 

 

反対にいえば、上記②、③、⑤がないとして、加えて、④についても何もなかったら上智大学自己推薦入試は、そもそも受けられはしないということです。

 

したがって、活動実績や志がなければ、他の総合型選抜や公募制推薦などの試験を狙うことはできないということです。多くの受験生は、指定校狙いの方は、活動実績を積み上げるなど総合型選抜・学校推薦型選抜の対策をそれまでに何もしていないことが多いように見受けられます。残念ながら、それでは指定校の枠を獲得できなかった場合に、他の総合型選抜・学校推薦型選抜にチャレンジすることはできません。

 

それでもなんとかしたい方へ

指定校推薦の枠を取れなかった場合、他の総合型選抜や公募制推薦などの試験を狙うことがなんとかできる場合とできない場合があります。それでも、総合型選抜や公募制推薦などの試験を狙いたいならば、なんとかできる可能性もあるかもしれません。潜龍舎までご相談ください。

 

あるべき受験戦略

とはいえ、指定校推薦は高校内の選考においてさまざまな状況があり、必ず指定校推薦の枠を取れるというものでもないため、「取れたらラッキー」ぐらいの感じで狙っておくのが良いと思います。もちろん、高校1.2年生から指定校推薦枠の獲得のために、定期テストなどもがんばって、評定平均値を得ておく努力をしておくべきだと思います。しかし、指定校推薦はあくまで可能性の一つです。

指定校推薦の可能性も視野に入れつつ、総合型選抜・学校推薦型選抜に向けて、確実に積み上げていくことができることもあります。高校1,2年生の皆様、皆様の大学受験に向けて取り組むべきこと、取り組んだ方が良いことは人によりそれぞれ異なります。大学受験に向けて、適切な戦略を考えましょう。ぜひ、潜龍舎へご相談をいただければと思います。

 

 

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