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絶対に合格しない志望理由書 シリーズ②

 

senryusha.hatenablog.com

 

 

※以下の志望理由書の原稿は、合格した高校生がかつて初回指導の際に作成したものを「土台」としておりますが、各部分において改変がなされており、あくまで例です。また、表現上の問題がある箇所が無数にあり、あえてそのままにしておりますが、表現については今回は扱いません。

 

志望理由書作成例

私は将来、鉄道会社に就職したいと考えています。 ◯◯高校に入学したのも、鉄道について詳しく学べる環境があり進学コースもあるからです。高校の授業でSDGsについて触れることが多くなり、グループワークや個人学習などで世界が抱えている貧困や飢餓などの問題などについて調べていくうちに、SDGsや世界の現状などに興味・関心を持ちました。 そのうえで大学へ進学し、「なぜ貧困が生まれるのか」「なぜ世界の国々でこんなにも格差があるのか」を日本のみならず、海外の視点から深く知り、学びたいと思いました。◯◯大学経済学部経済学科では、世界の経済や多様な現実について深く学ぶことができ、海外留学を始め学科独自の「海外特別研修」や「NGO論」などの現地での体験から学べる機会が多くあります。 現地に赴いて体験することで世界の様々な問題や情勢などについて、より考えを深めることができると思います。その他にも、語学力教科を重視したカリキュラムや多角的な専門性を身に付けることが可能で、魅力を感じました。

入学後は、グローバル社会に適応できる人材になれるよう、海外に留学し、実践的な英語を修得することを目指します。また、◯◯教授の講義「××が物語るグローバル経済の内実」を聴き、当時のアメリカ経済を読み解くことで新たな発見や考えができると知りました。いろいろな視点から物事を見る事の重要性を知りました。 私も外国の視点でSDGsについても学び、日本と外国とのとらえ方の違いを学びたいです。

豊富な体験や経験を活かし、鉄道会社で、地域や社会が抱えているSDGsの諸課題を考え、改善していきたい。現地での体験を通して学びを深め、世界のSDGsの取り組みを知ったうえで、なぜ、今SDGsが重視されているのか、なぜ、各国々によってこんなに格差が生じるのかなどあらゆることへの理解を深めていきたい。また、SDGsの17の目標の一つである「(格差がなく)住み続けられる街づくり」という点で社会に貢献していきたいと考えます。 

 

 この志望理由書では絶対に合格しない理由

1.「鉄道会社」、「SDGs」、「経済学部」という3つのポイントが線としてつながっていないため、将来のキャリア形成について話の筋が分からない。

 

2.SDGsの問題に取り組むのであるならば、経済学科で何を学ぶ必要があり、どのようなアプローチをどの問題に適応して取り組むのか、おおまかな研究計画も示してもらいたい。

 

3.貧困や格差の問題を学びたいと述べつつ、最後は、「鉄道会社で」地域や社会が抱えているSDGsの諸課題(具体的に何か?)に取り組みたいとあり、全体として何をしたい人間なのかが不明である。

 

4.SDGsの課題に自身が取り組まなければならない切実な必然性はどこにあるのかが不明である。SDGs的な課題と自身との接点はどこにあるのか。問題が自分事の問題になっていない。

 

5.SDGs的な課題に取り組むのに、なぜあえて鉄道会社に就職する必要があるのかも不明である。SDGs課題に直接的に取り組む会社がいくつもある。また、SDGsのどの課題に具体的にどのように取り組むのかが明確に定められていないため、経済学部で何のために何を学ぶのかが不明瞭である。

 

これでは合格しない…

将来、鉄道会社に就職したいと宣いつつ、SDGs課題に取り組みたいというチグハグさが際立っているとともに、経済学部で学ばなくてはならない必然性が不明です。それ以上に致命的なのは、「グループワークや個人学習などで世界が抱えている貧困や飢餓などの問題などについて調べていくうちに、SDGsや世界の現状などに興味・関心を持ちました」という「興味あります系志望理由書」として、典型的に合格しない内容になってしまっている内容です。興味があるだけでは、受からないんです。興味があるならば、行動してください。


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