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絶対に合格しない志望理由書 シリーズ➂

 

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※以下の志望理由書の原稿は、合格した高校生がかつて初回指導の際に作成したものを「土台」としておりますが、各部分において改変がなされており、あくまで例です。また、表現上の問題がある箇所が無数にあり、あえてそのままにしておりますが、表現については今回は扱いません。

 

 

志望理由書作成例

 私は将来、中小企業を支える経営コンサルタントとして活躍したいと考えています。そのために、貴学の経営学部で実社会で活躍するために必要な実践的な力を身につけたいと思います。

 私が経営学部を学ぼうとしたきっかけは、母が経理の仕事をしていたからです。私は母から経営者の方とお話しをしたときの内容を聞きました。経営者の悩みとして人材不足や生産性の面、社内環境の悩みが挙げられていました。私は経営をする立場の方が様々な課題を抱えていることを知り、会社経営の手助けをしたいと考えるようになりました。 そのため、経済、経営に関する本や情報誌を読むようになりました。そこで、日本の会社の99パーセントが中小企業であり、多くは慢性的な人材不足や一人あたりの生産性の低下、後継者不足という課題があることを学びました。このことから 、私は中小企業の発展を促す経営コンサルタントとして人材活用や事業再編に力を入れたいと考えています。

 中小企業を支えることは日本経済の発展を促すうえで大きな意義があると考えます。中小企業は大企業と比べて、きめ細かい効用創出や機敏に環境変化に対応できるという長所があると考えるからです。

既存ビジネスの改善と新ビジネスの開発を通して産業活動の硬直化を打破する糸口を見つけたいと思います。

 私は貴学の、会社を引っ張る組織人を目指す履修モデルに魅力を感じました。 マネジメント基礎から入り、管理会計論、経営組織論、事業戦略論、経営戦略などと進みます。私はこのモデルに沿い、中内ゼミに所属し経営戦略論、組織論に力を入れたいと思います。中内ゼミでは実際の企業のケースを分析し、真の強み、優位性などを研究しているからです。 その他に、企業分析やケーススタディー、マネジメントゲームを通して学生主体で学ぶことができます。

貴学のマネジメントゲームは、実践的な能力を身につけたいと考えている私にとって、とても魅力的に感じました。企業経営のシミュレーションをすることで実際に企業で行われている業務や事業をイメージすることができます。また、学生たちが自ら調べ、他人と意見交換することで知識を深めるだけでなく社会人としての基礎を養えると感じました。

 私は実際の企業の分析を通し、中小企業を支える勉強をしていきたいです。貴学で学んだことを生かし、会社や経営者に寄り添った、組織を引っ張る人間を目指したいです。

以上の理由から◯◯大学経営学経営学科を志望します。

 

 この志望理由書では絶対に合格しない理由

1.「実際の企業の分析を通し、中小企業を支える勉強をしていきたい」、「会社や経営者に寄り添った、組織を引っ張る人間を目指したい」との文言があるものの、その動機が不明である。なぜ、自分の母親の話を聞いたぐらいで、経営コンサルタントになりたいという「志」を抱くに至るのかがわからない。

 

2.中小企業を支えたいと考える切実な動機はどこにあるのか説明されていないため、「志」望理由書として成立していない。中小企業の問題が、どこで自身の関心や問題意識とつながっているのか、説明する必要がある。

 

3.自分が、中小企業が抱える問題に切実に取り組まなければならない必然性が示されていない。自分事の問題として、問題を示さないとどのような社会問題、課題を挙げても意味がないため。

 

4.

私は貴学の、会社を引っ張る組織人を目指す履修モデルに魅力を感じました。 マネジメント基礎から入り、管理会計論、経営組織論、事業戦略論、経営戦略などと進みます。私はこのモデルに沿い、中内ゼミに所属し経営戦略論、組織論に力を入れたいと思います。中内ゼミでは実際の企業のケースを分析し、真の強み、優位性などを研究しているからです。 その他に、企業分析やケーススタディー、マネジメントゲームを通して学生主体で学ぶことができます。

貴学のマネジメントゲームは、実践的な能力を身につけたいと考えている私にとって、とても魅力的に感じました。企業経営のシミュレーションをすることで実際に企業で行われている業務や事業をイメージすることができます。また、学生たちが自ら調べ、他人と意見交換することで知識を深めるだけでなく社会人としての基礎を養えると感じました。

↑このような記述が典型的な「魅力語り系志望理由書」であり、こうした内容を書いていては間違いなく合格しない。大学の魅力を褒めそやしても意味がないし、大学側も知っている情報のため、「それで?」という感じになる。大学の魅力を語るのではなく、自分の学びの目的に照らして、なぜその環境やその教員のもとで学ぶ必要があるのかについて、説明するべき。説明するべきポイントがズレている。何を学んでもよいが、「○○を学びたい」ではなく、学びの目的を必ず明らかにし、なぜ学ばなくてはならないのかという必然性を示すべき。

 

これでは合格しない…

経営コンサルタントになりたい理由が「お母さんの話を聞いたから」って、もう、「なんでやねん!」というツッコミしかいれられません。ママの仕事の話を聞いたら、誰でもママの就いている職業が「志」になるんですか。ママの影響力、めちゃくちゃ強い。ママの話はいらんのです。自分の「志」、自分事の問題、自分の人生で成し遂げたいことを語らないと合格しない。経営者の悩みについてママからちょっと聞いただけで、なぜその悩みに、大学で学んでまでして、あなた自身が向き合おうとするのか、向き合わなければならないと考えているのか、その理由、理屈が不明のため、もはや不気味な志望理由です。自分の中にある根本的な動機や理由を示さないと、こうした表層的で幼稚な説明になり、合格することはありません。自分だけの答えを見つけ出すためにも、他者との対話が志望理由書、自己推薦書作成においては重要になるといえます。また、「○○を学びたい」などと言っているうちは、合格しない。「学ばなくてはならない」という学びの必然性、必要性について説明する必要があります。詳しくは以下の記事もぜひご参照ください。

 

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