実は活動実績を積み上げるラストチャンスの学年
大切なことなので、何度でも申し上げたいと思います。活動実績が積みあがっていないのに、総合型選抜・学校推薦型選抜に臨もうとするのは無理です。また、高校3年生になってから活動実績を積み上げようとしても難しいのです。高3の夏になって、「志望理由書や面接の際に、特に目立った活動をしていない場合は何を書いたり言ったりすればよいでしょうか」、「国公立大学の学校推薦型選抜を考えているのですが、今からボランティア活動を始めても活動実績に入りますか」、「活動は何もしていないのですが、クラス委員とかでも実績になりますか」といった救い難い質問をしないようにしましょう。
慶應SFCなどの難関大合格者の多くは、実は高校2年生のときにさまざまな活動に取り組んでいます。というか、高3になってからの時間的な制約を考えれば、高校2年生が終わるまでに活動実績はある程度積み上げておくべきだといえます。したがって、高校2年生は、活動実績を積み上げるラストチャンスといえます。とはいえ、総合型選抜・学校推薦型選抜での難関大合格者は総合型選抜・学校推薦型選抜という試験のために動いているわけではないのです。彼らは、将来の志や、自分の興味・関心に従って活動をしています。おもしろそうだからいろいろとやってみた結果、活動実績もけっこうあるから、総合型選抜・学校推薦型選抜でも受けてみようかなという感じです。
大学の入試要項を確認しよう
将来大学進学を目指す高校2年生になったあなたがまず行うべきことは、少しでも気になる大学の入試要項を見てみることです。大学によっては明確に、どのような活動実績を評価するのか、入試要項に書いてある場合もあります。自分の行きたい学部や学科の入試要項を確認してみましょう。そのうえで、そうして得られた情報にしたがって活動してみるとよいと思います。
大人と話をしてみよう
高校2年生のあなたは、まだ将来の「志」が見定められていないかもしれません。まだ、大丈夫、問題ないです。自分の将来についての考えを周囲の大人に話してみるところから始めましょう。
親に話せば、良くも悪くもだいたいいろいろ言われると思います(苦笑)。学校の先生もいろいろアドバイスをくれるかもしれません。大学に行った先輩、バイト先の店長、社会人になっているいとこなどの親戚、塾の先生などなど、ともかく自分が将来何をしたいと考えているのか、周囲の大人に話してみましょう。
将来成し遂げたいことや取り組みたいことをどのような職に就けば実現できるのか、調べよう
また、まだ決まっていないけれど「少なくともこういう方向には行ってもいいな、行きたいな」と思っている分野などについて調べたり、将来就いてみたいと思う職業などについて調べてみましょう。知らないこと、知らないものにはなれません。まずは、よく調べてみるところからスタートです。難関大合格者の先輩たちは、自分の興味・関心ややりたいことについて、放っておいてもともかくべらべらとしゃべります。興味・関心ややりたいことがはっきりしてくると、将来はこういう方向に行こうかなとまたその先が見えてきます。
総合型選抜・学校推薦型選抜の対策は細く、長くが肝心です
総合型選抜・学校推薦型選抜の対策は、自身の「志」を見定めたり、さまざまな活動に取り組んだりと、一挙にできるものではありません。細くてもいいので、長く、継続的に、じっくりと行っていく必要があります。自分の将来について考えたり、自分の将来をかける試験になりますので、高3になって慌てて志望を決めたり、迫る試験のためによく調べも考えもせず、なんとなく「これが自分のやりたいことなんだ」と自分を騙すようなことをしていては本末転倒です。実際には、試験に対応しようとして、活動実績もなく、志も定まっていないのに、それっぽい志望理由書を書いたり、面接でほとんど嘘みたいな語りを行ったりする、そうした生徒がごまんといます。しかし、君が憧れ、行きたいと思う大学にはそれでは絶対に通用しない、それでは絶対に合格しない(断言できます)。だから、高校1,2年生から本質的な対策を少しずつしていきましょう。