潜龍舎 / 総合型選抜・学校推薦型選抜対策専門塾

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「合格した先輩の話」について【総合型選抜・学校推薦型選抜】

みんな、合格した先輩のお話が大好き

合格者の経験についての話は重要だ。合格者が何をして合格したのかを知れば、自分もそれに倣って合格する可能性が高まる。受験生もその保護者様も「合格した先輩の話を聞くと、合格するには○○が大事なんですよ~。」、「合格した先輩は、○○していました!」、「合格した知り合いの先輩は、××という塾に通って、△△していたそうです」、「合格した先輩は、□□だったから、(あなたも)これで大丈夫だと思います!」という話をしたり、聞いたりするのが大好きだ。なにしろ実際に「合格した」先輩からの確たる情報であるのだから、まるで鬼の首でも取ってきたかのように自信たっぷりに語られる。しかし、ある点では間違っていないけれど、ある点では完全に間違っている。それゆえ、こうした言説には、一定の距離を取る必要がある。こうした言説に触れるたびに指導者として心の中で思っているのは、「あなたとその先輩とはまったく異なる人間(=条件が違う)でしょうが…」である。

 

合格者の経験が重要であるという点について

潜龍舎でも合格した生徒たちから実際の試験の様子や内容について話を聞く。ただし、その生徒の話だけで試験における以降の対策のあり方の方針を決めるわけではない。というのも、一人の生徒の経験が、すぐさま合格するための方法やノウハウにつながるわけではないからだ。そうではなくて、5人、10人と合格者の経験に基づいた試験に対する知見が高まって初めて、確実性のある、合格するために有益な「情報」になるといえる。この意味において、合格した先輩の話が重要だということは正しい。

 

ほんの数人の話を聞いただけで、鵜呑みにしなさんな

少し考えれば誰でもわかるように、ほんの数人の合格者の話を聞いただけで、「こうすれば大丈夫!」という推論を行うのは危険だ。何しろ、合格者とあなたとでは条件が異なる。あなたの志も、あなたの活動実績も、文章作成能力も、コミュニケーション能力も、調査書の内容も、もしかしたら志望する学部や学科ですら、すべてが合格者とは異なるし、そもそもあなたと合格した先輩は、性格も特徴も「人間」が異なる。合格した先輩に当てはまることは、あなたには当てはまらないかもしれない。だから、ほんの数人の話を聞いただけで、それを鵜呑みにしてはいけない。そんなことは言われるまでもなく自明だと思うのだが、「合格した先輩が〜!」という人は、とかく鵜呑みにしてさらに主張する。

 

合格者による指導!?

総合型選抜・学校推薦型選抜に合格経験がある学生による指導を謳う対策指導塾も昨今増えてきているようだ。しかし、以上の論理に基づけば、一個人の合格体験がすぐさま指導や合格するためのノウハウになるわけではないことは明らかだ。「僕・私は、◯◯したよ」、「私も××したから、大丈夫だよ」という一個人の経験に基づいたアドバイスの危険性を学生講師は知らない。あえて繰り返すが、それはあなたには当てはまることかもしれないが、「どのような受験生にも当てはまる」と言えることではない。

 

合格したから、指導をできるわけではない

優れた塾の指導者は、学生一個人の合格体験など指導において当てになどしていない。そこにあるのは、システム化され、論理や理屈を重視し、これまでに蓄積された指導実績によるノウハウに基づいた指導だ。合格体験ではなく、指導をして合格させてきた経験や実績、これが指導をする上では本物である。

とはいえ、当然、ノウハウはあくまでノウハウに過ぎず、新たに指導する目の前の受験生にして、必ずそのノウハウが当てはまるとも限らない。だから、指導者は毎年、試行錯誤し、学び、研鑽を積み続ける必要があり、成果を出し、指導実績を積み上げ、常に進歩・改善を図ることだけが、合格するために必要な指導となる。こうしたことをたんに合格経験があるだけの学生講師にできるのか。合格する能力と、指導する能力とは異なる。合格したから、指導をできるわけではない。

 

先輩の話は置いておいて、自分はどうするかを考えないと…

話が逸れてしまったようだ。他塾様のことやアルバイトの学生講師の方々について言いたいのではなかった。「合格した先輩の話」についてだ。「先輩がこうだったから」と言われても、それはあなたには関係がない。あなたは、あなたの受験をしなくてはならない。そのために、考え、動かなくてはならない。先輩が書いた志望理由書をいくら眺めても、模倣しても、「あなた」にしか書くことのできない唯一無二の志望理由書にはならない。ただの猿真似だ。「先輩がこうしていたから」と言っているうちは、合格しない。そこから自分ならどうするのか、考えなければ意味がない。

 

 

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