潜龍舎 / 総合型選抜・学校推薦型選抜対策専門塾

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志望理由書/自己推薦書の構成について【総合型選抜・学校推薦型選抜】

「構成=説明の理屈」を考えないとダメですよ

志望理由書や自己推薦書の作成において、高校生のみなさまのお書きになられる内容において問題となる点の一つは、構成がまったく考えられていないということです。書くべき項目が指定され、分けられている場合には、それぞれ要求されている事項について説明を行っていけばよいです。しかし、「あなたが本学を志望する理由について、あなたの将来の目標や学びの目的を明らかにしながら説明してください」のような指示において、800字以上の規定字数がある場合には、構成を必ず考える必要があります。

また、構成とは説明の論理や理屈を示すものです。簡単にですが、わかりやすいように、まずは説明の理屈が成り立っていない例を挙げてみます。

①私は、将来、~~~したいため、○○大学××学部△△学科への進学を希望します。

②私は高校時代に、~~~の活動を行い、△△△に興味を持ちました。△△△について調べてみると、○○○ということが問題だとわかりました。

➂そこで、○○○を解決したいと思い、大学では△△について学びたいと思います。

④大学では、△△やについて学んだり、◇◇にも興味があるため、◇◇概論などの講義も履修したりしたいです。~~~に関係するボランティアなども行いたいです。

以上の理由から、貴学への進学を希望いたします。

 

ありがちな内容ですが、これだけでももはや説明の理屈が成り立っていません。こういう内容を書き連ねている人は合格しない。以下、何が問題なのか、指摘します。

 

①最初に自分の将来の志望を述べるのはよいが、「だから進学を希望します」は、説明として飛躍している。

②+➂ △△△について調べて○○○が問題であるとわかるところまではよい。しかし、そこから、あなたがなぜ「○○○を解決したい」という話になるのかが、不明である。たんなる興味や少し調べた程度のことから、なぜ、そのことがあなたが取り組むべき課題になるのかが説明されていない。

④学びの目的が説明されていない。たんに何かを学びたいではなく、なぜ学ぶ必要があるのかについて学びの目的とともに説明をする必要がある。

 

あるべき説明の理屈

①将来の志を明らかにする。

②将来の志を得るに至った過去の経験について説明する。

➂自分の取り組みたい事柄が、なぜ自分事の問題だといえるのか説明する(当事者性)

④その問題を解決・解消することに社会的にどのような意義があるのか説明する。

⑤その問題を解決・解消するためにどのようなスケールで、どのようなアプローチを考えているのか説明する。

⑥その問題を解決・解消するために、大学では何を「研究」する必要があるのか。

⑦大学においてその「研究」をするために、何を学ぶ必要があるのか。学びの目的とともに学ぶ必要のあることを具体的に説明する。

⑧大学で学んだうえで、将来的に何になって何を成し遂げたいのかを目的とともに説明する。

 

 

書くべき内容について材料を揃えます

まずは、以下の「書くべき事柄」について、規定字数を気にせずに、以下の項目について言語化しましょう(規定字数の2倍から3倍は書きましょう)。

 

・将来何になって、何を成し遂げたいのかについて(将来の「志」について)。

・なぜそれを成し遂げなくてはならないと考えているのか。

・どのようなことに問題意識(あるいは興味・関心)があるのか(たんに自分が問題だと考えているだけでなく、その問題の解消には社会的ニーズや要請があることを、現行の状態や問題などをリサーチした上で説明をする)。

・問題に対して、現行ではどのような対応や対策が取られているのか。

・問題や興味・関心の対象に対して、どのような行動をとってきたのか。

・問題を解消するために、具体的にどのような職に就き、どのような立場において、どのようなスケールで、どのようなことに将来的に取り組みたいのか。

・上記の問題意識をこれまでの人生においてどのような体験や経験から有するに至ったのか。

・その問題がなぜ自分自身の問題であるといえるのか。(問題に対する当事者性)

・あなたが、なりたい(成し遂げたい)という希望ではなく、ならなくてはならない(成し遂げなくてはならない)という必然性について。

・将来成し遂げたいあるいは問題を解消するために、何が必要だと考えているのか

・必要だと思われることを実現するために、大学において何を研究する必要があると考えているのか。(研究テーマ)

・自身の研究テーマに照らして、どの大学教員のもとで学ぶ必要があるのか、教員の専門分野とのマッチングについて。

・あなたの研究テーマを探求するために、どのような知識や学びが必要であり、大学では具体的にどのような講義や演習から学ぶことができると考えているのか。(シラバスやカリキュラム等を調べて記述する)

・座学で学ぶ以外に、将来の志を果たすために、大学時代にどのような経験が必要だと考えているのか。(長期休暇におけるフィールドワーク、ボランティア、留学、目的に沿ったアルバイト、自分が企画した活動、見聞を広めるなど目的のある旅行など)

 

構成案を作りましょう

材料が揃ったら、料理をしていきます。そのためには、レシピが必要です。「レシピ=構成案」を作りましょう。つまり、説明における話の理屈を考えるわけです。よく考えてみてください。

あなたが大学に入る「必要がある」のは、将来の志望を叶えるために不可欠な「研究を行う必要があるから」です(大学は教育研究機関です。「学生」に教育を施したのち、まだ明らかになっていな事柄について「研究」を行うことが要求されます)。その研究を行うためには、当該の「学問分野における学びを得る」必要があります(講義を履修したり、フィールドワークを行ったり、実地調査をするなど)。また、「その」大学で学ばなくてはならない理由は、あなたが研究を行う必要がある分野において、先行して研究を行う「その研究者(=大学教員)が在籍しているから」です。したがって、自分の研究したいテーマとその先生の専門分野とのマッチングを説明する必要があります。そうして、研究を行い卒業したうえで、大学での専門的な学びを踏まえて、実社会において何を実現したいのかについて初めて説明ができます。

以上のような説明の理屈をきちんと考えて、構成を行う必要があります。自分が何をしたいのかという「熱意」を伝えるためには、人を納得させる「理屈」や「論理」が必要になります。

 

規定字数に合わせて編集作業

説明における理屈や論理を考えたうえで、構成を行ったのち、あとは規定字数に合わせて原稿の編集作業を行います。本当は入れたかった説明を泣く泣く削ったり、余計な説明を除いたりすることから、文言を簡潔に言い換えたり、句点を修正するに至るまで、伝統工芸品を造るように本当に細かく丁寧に直していきます。潜龍舎の指導では、生徒との対話を行いながら、この編集作業にもっとも時間をかけていますし、編集作業にもっとも時間がかかります。

 

基本的には何を書いてもらいたいかは、きちんと指示がある

そもそも、志望理由書執筆要件(=これを書きなさいという指示)に従うことのできていない人がたくさんいます。問題外です。まずは、「書いてください」と指示された内容に正確に応答することが必要です。ひたすら独りよがりな説明を、理屈や論理を考えることもなく行っても意味がありません。自分にしかできない話をするとともに、説明における緻密な理屈や論理を考え、示すことが、審査官である大学教員を納得させる唯一無二の志望理由書の完成にとって不可欠です。

 

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